大学の授業やゼミで使用されています。
IPCC温暖化レポートと並ぶ最重要レポート
GEOレポートは、IPCC地球温暖化レポートと並ぶ重要なものなのに、これまで翻訳出版されたことがなく、日本ではその存在がほとんど知られていなかった。
何千人もの科学者と何百もの組織が作成に関与
GEOは、国連環境計画が1997年に第1次レポートを発表して以来、何千人もの科学者と何百もの組織が関与して構築されてきた。GEO-5は、GEO-4を世界600名の科学者が3年かけて更新したもので、地球環境に関する世界で最も権威ある報告書 !!
温暖化も含めた全ての地球環境問題を網羅
GEOレポートは、温暖化も含めた地球環境の全ての課題を取り扱っている。第1章「駆動要因」では、地球環境を危うくする限界へと押し進める根本原因が特定され、第2~6章では、「大気」、「陸」、「水」、「生物多様性」、「化学物質と廃棄物」の各分野から地球環境の現状、傾向、展望、問題点が示され、第7章では地球システムの観点から論じられる。
地球はいくつかの臨界閾値(いきち)に接近
世界規模での環境の諸問題は温暖化による気候変動
だけではない。地球は、地球規模、広域規模、地方規
模で、いくつかの臨界閾値(限界点)に接近しているか、既に超過している可能性がある。いったんそれを超過してしまうと、地球の生命維持機能にとって突然の不可逆的な変化が起こり得る(頁194)。そこで、臨界閾値を超えてしまわないよう回避するため、その手前に境界線を設ける惑星限界(planetary boundary)という新たな概念が提示されている(頁207、図7.9)。その概念によれば、気候変動、生物多様性の損失速度、窒素循環への人的介入については、既にその境界を超えていると伝えている(頁208)。
90の重要目標の進展状況を発表
国際的に合意された目標の中から優先度の高い90の目標が選定され、各目標についての進展状況、展望、課題が報告されている。
<各章の主なテーマ>
第1章 駆動要因: 人口、経済発展、エネルギー、輸送、
都市化、グローバル化、臨界閾値
第2章 大気: 地球温暖化、粒子状物質(PM2.5)、
窒素化合物、オゾン、メタン、黒色炭素
第3章 陸: 農業、森林、乾燥地の劣化、食糧安全保障、食肉生産、バイオ燃料、REDD+
第4章 水: 水不足、栄養塩汚染、海面上昇、海洋酸性化、河川分断化、水ガバナンス
第5章 生物多様性: 愛知ターゲット、生物多様性への圧力、からの恩恵、脅威への対応
第6章 化学物質と廃棄物: データ不足、電子廃棄物、POPs、金属汚染、海洋汚染と海ゴミ
(マイクロプラスティックなど)、放射性物質、化学毒性
第7章 地球システムの全体像: 地球システムの複雑さ、レジームシフト、極地域、オーバー
シュート、惑星限界、遷移管理
第8章 必要なデータの見直し: 環境情報を支える国際プログラム、テーマ別の欠落点
後付け : GEO-5制作工程、寄与600名一覧、用語解説、索引